新幹線の先頭デザインを語る上で欠かせないのが、路線環境に応じたJR各社の思想の違いだ。東海道・山陽新幹線を担う東海旅客鉄道株式会社(JR東海)と、東北・北海道新幹線などを展開する東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)では、目指すべき「顔」のアプローチが大きく異なる。
JR東海の最新旗艦車両「N700S系」は、過密ダイヤでの高い安定性と静粛性を最優先し、「デュアル・スプリーム・ウィング」と呼ばれるエッジの効いたシャープな先頭形状を採用している。一方で、さらなる最高速度の更新と酷寒地での安定走行を追求するJR東日本の「ALFA-X開発プロジェクト」は、異次元の長さを持つノーズで空気抵抗の極限に挑む。互いに異なる環境下で磨かれた技術と美学は、グローバルな鉄道産業の中でも突出したプレゼンスを誇っている。