近年の茨城県入試を語る上で避けて通れないのが、県立中高一貫校改革に伴う波及効果です。県教委が推進した公立中高一貫化により、水戸一高、土浦一高、竜ヶ崎一高、下妻一高、水海道一高などの伝統校に附属中学校が相次いで併設されました。この結果、高校段階からの募集定員が各校で80名〜120名規模で削減され、中学受検組の持ち上がり枠が確保される構造となっています。
この定員減は、高校受験生にとって極めて厳しい「枠の争奪戦」を意味します。かつてのように「水戸一高に定員400名で挑む」時代は終わり、限られた外部募集枠を巡って全県から粒ぞろいの秀才が集結する形となりました。その余波は、トップ校のみにとどまりません。
「土浦一高の定員が絞られたことで、確実に公立に進学したい層が近隣の竹園高校へと出願先を切り替える現象が起きています。その結果、竹園高校の倍率が例年1.3倍〜1.5倍前後へと跳ね上がり、ボーダーラインが大幅に押し上げられました」(つくば市内の大手進学塾教室長)
この玉突き事故のようなドミノ現象は県央エリアでも顕著です。水戸一高の枠縮小により、水戸二高や緑岡高校へと高学力層がシフト。中堅上位校の合否ラインが一段階引き上げられる結果を生んでいます。定員減によって「本来ならトップ校に届くはずの実力者」が2番手校に流れ込み、中位から上位層全体の合格ハードルを押し上げているのが現在の構図です。