桜の季節になると、映像作品が描いた情緒あふれる世界観へ身を置きたいと願うファンが世界中から押し寄せる。なかでも新海誠監督のアニメーション映画『秒速5センチメートル』は、舞い散る花びらのスピード感や儚い恋心を象徴する作品として、今なお根強い人気を誇る。
さらに近年、Netflixなどのグローバルな動画配信プラットフォームを通じて作品が世界中で視聴可能となったことで、海外からのトラベラーが「作品の舞台となったあの桜並木を自分の目で確かめたい」と聖地巡礼に訪れる動きが加速している。アニメのワンシーンを彷彿とさせる踏切や坂道、舞い散る桜吹雪のロケーションは、フィクションと現実が交差し、訪れる者に深いノスタルジーを抱かせる。カルチャーとしての桜人気は、従来の観光の枠組みを超えてグローバルな広がりを見せている。