唇への注射と聞いて最も懸念されるのが「痛み」と「施術後のダウンタイム」です。唇の赤唇縁および粘膜部は知覚神経が集中しているため、顔の他の部位(額やほうれい線など)と比較しても痛覚刺激に敏感です。
痛みへの対策として、現在の標準的クリニックでは唇フィラー痛みと麻酔の組み合わせが高度に体系化されています。施術前の「高濃度表面麻酔クリーム(約20〜30分塗布)」に加え、多くの承認製剤自体に局所麻酔薬(リドカイン)があらかじめ配合されています。さらに痛みに強い恐怖心を持つ方には、歯科治療と同様に神経の根本をブロックする「伝達麻酔(ブロック麻酔)」や「笑気麻酔」を併用することで、施術中の痛みを無感覚に近い状態まで軽減することが可能です。
一方、施術後の唇フィラーダウンタイム腫れについては、正しい経過知識を持っておく必要があります。ヒアルロン酸は水分を引き寄せる親水性を持つため、施術直後から翌日〜3日目にかけてが腫れのピークとなります。初日は「少し入れすぎたかもしれない」と驚くケースがありますが、これは一時的な組織の浮腫(むくみ)であり、通常4〜7日程度で本来のデザインへと落ち着きます。毛細血管の内出血が生じた場合でも、約10日〜2週間前後でメイクでカバーできるレベルに収束するのが一般的な臨床経過です。