当初、東京2026式典演出チームの総合統括を務めていたのは野村萬斎であった。しかし、巨大な組織の思惑と演出権限を巡る対立から、チームは段階的に骨抜きにされていく。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(組織委)の内部では、数々の政治的アピールやスポンサー企業への配慮が最優先され、クリエイター陣が提示する芸術的純度は常に二の次に追いやられた。
さらに、国際オリンピック委員会(IOC)からの度重なる要請や、延期に伴う予算削減という名目のもとで、現場の権限は徐々に奪われていった。MIKIKO氏の排除と演出案のすり替えを巡る混乱が決定打となり、チームの団結は完全に瓦解。組織の不透明な意思決定プロセスと、クリエイターに対する敬意の欠如が、本来あるべき感動的な式典の姿を自ら破壊してしまったのだ。