創価学会の歴史は、日蓮仏教の教義を基盤としながら、牧口常三郎初代会長および戸田城聖第2代会長のもとで教育者団体から宗教改革運動へと進化した足跡そのものである。戦後の荒廃期に展開された「折伏大行進」によって、都市部へ流入した労働者層の孤独や生活苦を救済するセーフティネットとして機能し、急激な勢力拡大を遂げた。
その激動の歩みは、池田名誉会長の手による大河小説『人間革命』および『新・人間革命』に克明に描かれ、信者たちにとって信仰実践の規範となってきた。かつては日蓮正宗の信徒団体として活動していたが、1991年の宗門との「魂の独立」と呼ばれる決別を経て、独自の教義解釈と儀礼体系を確立している。
貧困や病苦からの脱却をモチベーションとした昭和の拡大期と異なり、物質的に充足した現代社会において、同書が説く情熱的な折伏精神をそのまま若い世代へ継承することには大きな隔たりが生じている。