文化庁が毎年取りまとめる『宗教統計調査』を開くと、奇妙な現象に突き当たる。日本全国の信者総数を合算すると1億7,000万人を超え、総人口を遥かに凌駕するのだ。これは神社や寺院の氏子・檀家数が重複集計されているためだが、宗教法人側が自己申告する数字と国民の実態意識との乖離は構造的な問題として横たわっている。
日本の宗教法人制度において、行政が信者名簿の厳密な実地調査を行うことは信教の自由の観点から制限されている。戦後の高度経済成長期に爆発的な拡大を遂げた新宗教の多くは、信者数の減少を対外的に認めることを避ける傾向が強い。創価学会も例外ではなく、827万世帯というシンボリックな数字を据え置くことで、組織の求心力と政治的影響力を維持してきた経緯がある。
しかし、無宗教層の増加と宗教団体への警戒感の高まりという社会環境の変化は、伝統仏教のみならず新宗教全体を等しく呑み込んでいる。