これまで東扇島エリアが抱えてきた最大の課題が、陸側との接続ルートの限られ方だった。首都高速道路株式会社が管理する川崎港海底トンネルや首都高速湾岸線に依存してきた従来の交通網は、慢性的な渋滞や大規模災害時の機能停止リスクと隣り合わせだった。この懸念を一挙に解消すべく推し進められているのが、国家的な大型プロジェクトである臨港道路東扇島水江町線整備事業だ。
国土交通省と地元自治体が一体となって建設を進めるこの巨大な斜張橋は、対岸の水江町地区と東扇島を最短距離で結ぶ新たな大動脈となる。現地工事関係者は「橋梁の開通によって臨海部の物流効率が飛躍的に高まるだけでなく、防災面の緊急避難ルートとしても決定的な役割を果たす」と力強く語る。交通のボトルネックが解消される見通しが立ったことで、海洋都市再開発・インフラ整備の象徴的なモデルケースとして産業界からの期待が一段と高まっている。