音楽史において非常に興味深いのは、この楽曲が持つ二面性だ。ボーカルユニット「I WiSH」のデビュー曲として社会現象を巻き起こした『明日への扉』は、実は『旅立ちの日に…』のメロディをベースにキャッチーな恋愛歌詞へと再構築された変形バージョンであった。
ポップで煌びやかなラブソングとしてアレンジされた『明日への扉』に対し、原曲である『旅立ちの日に…』は合唱曲のような洗練された静謐さとノスタルジーを纏っている。同じ旋律でありながら、まったく異なる世界観を持つ2つの名曲。ひとつのメロディから生まれたこの対照的な2曲は、川嶋あいというソングライターの圧倒的な才能を証明している。