TCG市場において、初音ミクのカード群が最も深い影響を与えたのが、カジュアルかつ多人数で遊べる「統率者(EDH)」フォーマットだ。プレイヤーは自身の「相棒」となる伝説のクリーチャーを1枚選び、100枚のデッキを構築する。そこに初音ミクという存在が組み合わさった時、テーブル上の風景は一変した。
対戦相手にデッキを開示する際、「自分の統率者はミクです」と宣言する快感。彼女をモチーフにしたカスタムプレイマット、専用のスリーブ、果てはトークンカードに至るまで、全身を初音ミク仕様で統一したプレイヤーが各地の店舗大会に現れた。あるショップのオーナーは「これまでマジックに触れてこなかった若年層や女性層が、統率者戦を始めるきっかけとしてミクのカードを指名買いしていく」と証言する。