世間が抱く検察官のイメージは、いつの時代もメディアの描写に強く影響されてきた。木村拓哉が型破りな検事を演じた名作『HERO』は、ダウンジャケット姿で現場を歩き回り、真実を追い求める姿で検察官ブームを巻き起こした。一方、冤罪疑惑の闇と組織の歪みに切り込んだ『エルピス—希望、あるいは災い』では、国家権力の冷徹な論理と個人の葛藤がリアルに描かれ、視聴者に強い衝撃を与えた。
現在もNetflixやNHKオンデマンドで数々のリーガルドラマが配信され、法曹界の人間模様はエンターテインメントの定番であり続けている。しかし、現場に立つ検事たちの日常は、画面越しに見る華やかさとは程遠い。地道な裏付け捜査、数千ページに及ぶ供述調書の精読、公判前整理手続での弁護人との激しい攻防。ドラマのような鮮やかな逆転劇の裏には、泥臭い証拠の積み上げと、絶対に無罪を出せないという途方もないプレッシャーが横たわっている。