客室のバルコニーに立つ。視界を遮るものは何一つ存在しない。ただ爽快な潮風が吹き抜け、透明度の高い波が寄せ、静かに引いていく。かねひで喜瀬ビーチパレスの最大の強みは、後発の大型リゾートでは決して真似のできない海との極小の距離感にある。
建築基準や海岸保全法規の変遷により、現代において海岸線からこれほど近い位置に建物を建造することは極めて困難だ。満潮時にはまるで船の甲板に乗っているかのような錯覚さえ覚える。人工的なプライベートビーチではなく、古くから地元の人々に愛されてきた喜瀬の自然海岸が目の前に広がる贅沢。どれほど高額なスイートルームでも買い得ない価値がここにある。
朝、目覚めた瞬間に波の音を聞き、水着に着替えてそのまま海へ飛び込む。夕刻には水平線に沈むサンセットを部屋から眺める。時計の針を気にせず過ごす時間が、ここには確かに存在する。