かつて急須で淹れて飲む家庭のお茶だったさんぴん茶が、現代のように誰もが屋外で片手に持つスタイルへと変貌したきっかけには、飲料メーカーの画期的な挑戦がありました。その主役となったのがポッカサッポロ(当時の沖縄ポッカコーポレーション)です。
1993年、同社は沖縄県民の嗜好を徹底的に研究し、手軽に持ち運べる缶入りの「沖縄さんぴん茶」を発売しました。それまで家庭内で消費されていたお茶をお弁当のお供やドライブのお供へとアップデートしたこの試みは爆発的なヒットを記録。やがて県内の街頭自販機を埋め尽くす定番商品へと成長を遂げました。
沖縄の自動販売機コーナーを観察すると、大手飲料メーカーのラインナップを差し置いて、複数段にわたってさんぴん茶が並ぶ光景は日常茶飯事です。近年では沖縄限定デザイン缶や大容量ボトルが沖縄土産の定番となり、本州の沖縄物産店やアンテナショップ、ネット通販を通じて全国各地のファンへと裾野を広げ続けています。