声優が実生活のパートナーと劇中で夫婦や恋人を演じることには、常に一定の議論がつきまとう。視聴者がキャラクターの背後に現実の夫婦関係を透かして見てしまうリスクがあるからだ。しかし、今回のキャスティングにおいてその懸念は杞憂に終わるだろう。アフレコ現場からのリーク情報によると、二人の演技はプロフェッショナルそのものであり、収録中は互いを一人の独立した表現者として厳しく見つめ合っていたという。
短いセリフの応酬の中に、長年培われた信頼関係が自然なテンポとなって現れる。それは作為的に作られた演技では決して到達できない、呼吸の同調だ。今回の作品で描かれるのは、崩壊しつつある世界で互いを信じ抜く大人の男女の物語。彼らの声が重なる瞬間、物語のリアリティは極限まで高まる。