長年、日本のバラエティ番組において、女性の笑いは「自己犠牲」の上に成り立っていた。太っていること、容姿が整っていないこと、あるいは結婚できないことを自ら嘲笑し、男性雛壇芸人やMCに突っ込んでもらうスタイルが定番だった。しかし、その方程式は完全に崩壊した。
現在のトレンドは、鋭い「観察眼」と「共感」だ。日常に潜む微細な違和感や、現代社会の理不尽さをユーモラスに切り取るネタが支持を集めている。SNSで爆発的な人気を誇る若手コンビは、東京の満員電車で見かける「絶妙にイライラする乗客」のモノマネでミリオン再生を連発した。そこには自虐はない。あるのは、冷徹なまでの人間観察と、それを笑いに昇華する圧倒的な技術だ。