だが、このコミュニティがもたらすのは救いだけではない。臨床心理士らは、ネット上の言説に過度に依存することの危険性を指摘し続けている。特に懸念されるのが、安易な自己診断の固定化だ。「自分は発達障害だから努力しても無駄だ」という諦念が、掲示板内での同調圧力によって強化されていく。
同じ悩みを抱える者同士が閉鎖的な空間で対話を繰り返すことで、極端な意見が先鋭化する「エコーチェンバー現象」も顕著だ。社会への恨みや、特定の属性に対する攻撃性が増幅され、結果として現実世界への復帰をさらに困難にする悪循環が生まれている。ネットの居心地の良さは、時に社会復帰の足を引っ張る泥沼ともなり得るのだ。