ふたつの菓子の最大の違いは、内部にサンドされている素材と土台となる生地の設計にあります。森永製菓が展開する「エンゼルパイ」の中核は、ゼラチンと水あめを主原料としたもっちりとした弾力のあるマシュマロです。これをややハードなソフトビスケットで挟み、周囲をチョコレートでコーティングしています。咀嚼した瞬間にビスケットの香ばしさとマシュマロ特有のむぎゅっとした粘り気が融合し、独特のリッチな噛みごたえを生み出します。
一方、ロッテが手がける「チョコパイ」の核となるのは、ふんわりとした芳醇なバニラクリームです。挟み込む生地もビスケットではなく、水分量を精密にコントロールしたしっとり食感のソフトケーキを採用しています。口に含むとチョコレートのコーティングが体温ですっと溶け、スポンジとクリームが一体となってほどける「まるで生ケーキのような贅沢感」を追求した仕立てです。
原材料表示を見比べると、そのコンセプトの違いはさらに鮮明になります。エンゼルパイはマシュマロを固めるためのゼラチンが原材料の上位に記載されているのに対し、チョコパイにはホイップクリームのコクを生む植物油脂や酒精、洋酒が使用されており、香料とともに大人の嗜好品に近い深みを与えています。