モロー反射の激しさを目の当たりにすると、「何か脳の重い病気なのでは」と不安がよぎる瞬間がある。なかでも親が警戒すべき鑑別疾患として挙げられるのが点頭てんかん (West症候群)だ。
日本小児科学会の指針をはじめとする小児神経の知見では、両者には明確な相違点が存在する。モロー反射は音や急な動きなどの「明らかなきっかけ」によって単発で発生するのに対し、点頭てんかんは外的な刺激がない状態で、頭部を一瞬カクンと前屈させたり手足を縮めたりする特有の発作が数秒〜十数秒おきに反復(シリーズ形成)する特徴を持つ。
覚醒時や眠気があるときに規則的な発作が繰り返される、あるいはこれまでできていた追視や喃語が消失するといった異変を感じた場合は、速やかに小児神経専門医の受診を検討したい。その際、スマートフォンで発作の様子を動画に収めておくと診察が極めてスムーズに進む。