インターネット上の不正確な医療情報やアルゴリズムによって、親が過度のストレスを抱え込むケースが増加しています。ここでは臨床現場でよく指摘される代表的な誤解と盲点を是正します。
最大の誤解は、「乳児期の手足の突っ張りや強い反り返りが、将来の発達障害(自閉スペクトラム症など)を決定づける」という俗説です。医学的に、生後数ヶ月の反り返りや手足のピーンとした動きのみをもって将来の発達障害を予知することは不可能です。反り返りの強さは、単なる体幹の筋肉の使い方の癖や、背中の不快感(室温や寝具の硬さ)、一時的な筋緊張のアンバランスによるものがほとんどです。
また、盲点となりやすいのが「入眠時ミオクローヌス(生理的なビクつき)」です。大人でも眠りにつく瞬間に体がビクッと跳ねることがありますが、赤ちゃんにも同様の現象が起こります。寝入りばなに手足をピーンと伸ばしてビクつく動作は良性のものであり、目覚めている時に頻発せず、発作後に機嫌よく眠れているのであれば治療の対象にはなりません。
検索エンジンのサジェスト機能やSNSの動画に煽られ、病気の特徴ばかりを我が子に当てはめてしまう「サイバーコンドリア(ネット検索による健康不安症)」に陥らないよう、冷静な客観性を保つ姿勢が求められます。