歯が生え始める前兆として、多くの保護者を困惑させるのが「歯ぐずり(Teething)」だ。乳歯が歯肉を突き破る際、局所的な圧迫感や炎症、むずがゆさが生じる。この違和感から、理由のわからない夜泣きが増えたり、急に機嫌を損ねたり、大量のよだれを垂らして手当たり次第に物を噛もうとする行動が見られるようになる。
家庭でできる有効な対策として、小児ヘルスケアの現場で注目されているのが歯固めの積極的な活用だ。適度な弾力と凹凸を持つシリコン製や天然木製のアイテムを噛ませることで、歯ぐきのむずがゆさを物理的に和らげるとともに、顎の筋肉や噛む感覚を育む効果が得られる。冷やして使うタイプの歯固めは、歯肉の熱感や不快感を鎮めるクーリング効果も期待できる。
機嫌が悪い時は無理に授乳や抱っこだけで解決しようとせず、清潔なガーゼを指に巻き、冷水で湿らせて赤ちゃんの歯ぐきをやさしくマッサージしてあげる方法も効果的だ。不快感に寄り添ったスキンシップが、赤ちゃんの精神的な安定につながる。