基本設定として小学3年生から進級しないまる子だが、劇場版などの特別なステージでは、時折胸を打つような感情の揺らぎを見せる。原作者自ら脚本を担当した名作『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』では、イタリアからやってきた少年・アンドレアとの出会いと別れが叙情性豊かに描かれた。
普段の怠け者でお調子者な性格の裏にある、他者への細やかな思いやりや別れを惜しむ切ない眼差し。進級という形式的な時間の進行がなくとも、心と心が触れ合う瞬間には確かな「情緒の深化」が刻まれている。この深みがあるからこそ、大人の鑑賞にも耐えうる上質な人間ドラマとして評価され続けている。