「歯茎に骨が出っ張ってきた」と聞くと特殊な疾患のように思えますが、専門歯科メディア『DentaLife』が紹介する歯科疫学データや各大学病院口腔外科の報告によると、日本人の成人の約10〜20%に骨隆起が認められるとされています。決して一部の限られた人だけに起きる異常事態ではありません。
Lion歯科・矯正歯科をはじめとする専門機関の見解を総合すると、骨隆起の原因には強い「力学的負荷」と「遺伝的素因」が深く関与しています。睡眠中の無意識な歯ぎしり(ブラキシズム)や、日中の食いしばり(クレンチング)によって歯槽骨に持続的かつ強大な圧力が加わると、生体防御反応として骨組織が自らを補強しようと増生します。日頃からPC作業やスマートフォン操作に熱中し、無意識に上下の歯を接触させている人(TCH:歯列接触癖)ほど、下顎の内側に下顎隆起の症状を発現させやすい傾向にあります。
一方、抜歯という外科処置の現場においても、同様の事象は頻発しています。臨床統計によると、親知らず抜歯後に骨のかけらが出てくる確率は約8〜10%にのぼると報告されています。約10人に1人の割合で発生する一般的な偶発症であり、抜歯を担当した歯科医師の技術的ミスではなく、薄い骨壁が生理的吸収に耐えきれず遊離体となって排出される生体反応の一環です。