リングを去り、一時は生きる目標を見失いかけた赤井英和の人生を再び大きく動かしたのが、映画監督・阪本順治との出会いでした。1989年に公開された映画『どついたるねん』は、赤井英和自身の挫折と復活をモチーフにした自伝的作品であり、彼自身が主演を務めました。
演技経験が皆無だったにもかかわらず、スクリーンからあふれ出る圧倒的な存在感と生々しい感情の迸りは映画関係者を唸らせ、ブルーリボン賞主演男優賞をはじめとする主要映画賞を総なめにしました。これを機に俳優としての地位を確立した彼は、ドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』や『セカンド・チャンス』、NHK連続テレビ小説などで唯一無二の存在感を発揮していきます。
私生活では、1993年に現在の妻である赤井佳子さんと結婚。佳子さんが日々の飾らない夫の姿を投稿する公式SNS(X/旧Twitter)は、「夫の生態」「赤井英和の日常」として数百万回以上の表示を連発し、大人気アカウントとなっています。かつてリングで血を流した男が、家庭で見せる無邪気でお茶目な素顔は、若い世代のファンをも魅了し続けています。