一般的なご当地キャラが地域特産品のPRや愛嬌のあるダンスを披露する中、ちぃたん☆が選択したのは「体を張った暴走動画」という極端なエンタメ路線でした。一本橋を渡ろうとして派手に水没する、竹馬に乗って激しくクラッシュする、トランポリンで制御不能になり壁に激突する——。スタントマン顔負けの身体能力と、失敗したときの容赦ない破壊音が組み合わさった映像は、Twitter(現X)やTikTokで数百万から数千万回再生を連発し、瞬く間に国内外へ拡散されました。
しかし、この急激な露出拡大が大きな摩擦を生むことになります。実在のカワウソ「ちぃたん」が高知県須崎市の観光大使を務めていた縁から、キャラクターのちぃたん☆も「観光大使」を名乗って活動していましたが、動画内で草刈り機を振り回すなどの過激な演出に対し、須崎市役所へ苦情や問い合わせが殺到。「子どもが真似をしたら危険だ」「市の公認キャラクターが暴挙に及んでいるのか」といった批判電話が連日鳴り響く事態に発展しました。
さらに問題を複雑にしたのが、須崎市の正規公認マスコットである「しんじょう君との騒動」です。しんじょう君とちぃたん☆は、実は同一のデザイナーが手掛けた兄弟のような関係性にあり、外見的特徴が極めて酷似していました。市側の意図せぬところで「しんじょう君の同類が暴走している」という誤認が広がり、ブランドイメージの毀損を懸念した須崎市は2019年1月、観光大使の委嘱を取り消す決定を下しました。これが世に広く報じられた「須崎市観光大使解任理由」の全容です。