新文芸坐の真骨頂といえば、土曜日の深夜から日曜日の早朝にかけて開催されるオールナイト上映と、映画監督やキャストが登壇するトークショー・特別イベントです。
映画監督の特集、特定ジャンル(フィルムノワール、70年代東映実録路線、80年代ホラー、新旧アニメーション傑作選など)を一晩で3〜4本一気見するオールナイトは、まさに大人の映画合宿。深夜の劇場ロビーには映画を愛する観客の静かな高揚感が漂い、終電後の池袋に特別なコミュニティが立ち現れます。かつて通い詰めたオールドファンだけでなく、近年では配信で過去の名作を知った20代〜30代の若年層が詰めかける光景も日常化しています。
また、同館のトークショーは他館の一般的な舞台挨拶とは一線を画します。登壇者と支配人・聞き手による映画論は30分以上に及ぶことも珍しくなく、作品の製作秘話や当時の時代背景、演出意図の深層に切り込むアカデミックかつ熱い対話が繰り広げられます。「作り手と受け手が同じ空間で映画の熱量を共有する」という映画館本来の役割が、ここでは極めて高い密度で機能しています。