赤坂の街を歩けば、ビジネスパーソンに混ざってスマートフォンを手にした外国人観光客の姿が目立つ。観光・旅行業の関係者によると、過度に商業化されていない「生きた日本の祈りの場」を求める旅行者の間で、この神社の存在感が急速に高まっているという。
Google マップのクチコミ欄やトリップアドバイザーのレビューには、「モダンな高層ビル群のすぐ裏手に、息をのむような本物の歴史が息づいている」「都心とは思えないほど空気が澄んでいて、心が洗われた」といった多言語の賛辞が並ぶ。きらびやかな観光地とは一線を画す、侘び寂びと自然が調和した景観が、世界基準のエコツーリズムやカルチャーツーリズムの視点からも再発見されている。
港区という国際都市の中心にありながら、異国からの旅人をも包み込む懐の深さ。それは、何百年もの間、階層や出自を問わず人々を受け入れてきた神社の寛容さそのものだ。