物語序盤から公安のエリートとして非凡なカリスマ性を放っていたマキマですが、その本質は人間ではなく、根源的な恐怖の一端を担う「支配の悪魔」でした。作中世界において「支配」という概念は人類が文明を築いた太古から存在し、死、飢餓、戦争と並ぶ「黙示録の四騎士」に位置づけられる超弩級の脅威です。
彼女の特異性を決定づけていたのが、当時の日本国内閣総理大臣との間で結ばれた国家契約でした。その契約内容は「マキマが受けた攻撃や致死ダメージは、適当な日本国民の事故や病気へと変換されて肩代わりされる」という極めて理不尽かつ強固なもの。銃撃で頭部を撃ち抜かれようが、爆破されようが瞬時に蘇生する不死身のカラクリは、日本国民全員の生命を人質にした国家ぐるみの防壁そのものだったのです。
さらに、彼女が他者を意のままに操る能力の条件は極めてシンプルかつ残酷で、「自分より程度が低い(劣っている)と見做した対象」を無条件で完全に掌握できるという点にありました。人間や下位の悪魔はもちろんのこと、死者や契約関係にあるデビルハンターさえもチェスの駒のように使役する姿は、まさに絶対君主そのものでした。