インターネット上の掲示板や動画サイトでは「Bluetoothが繋がらない時はとにかく初期化すれば直る」という乱暴なアドバイスが見受けられますが、これは一部誤解を含んでいます。通信の仕組みを正しく理解していなければ、余計な設定作業に時間を浪費することになります。
最も多い誤解が、「ハンズフリー通話ができるのだからBluetoothハードウェアは正常であり、音楽アプリ側のバグに違いない」という思い込みです。実際には、車Bluetooth音楽流れない理由の根底には「Bluetoothプロファイル」の分離構造が存在します。
車載Bluetooth通信は、通話用の規格であるHFP(Hands-Free Profile)と、高音質ステレオ音楽伝送用の規格であるA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)という全く別個の通信ラインを同時に走らせています。車載器側のメモリ不足やスマホ側の音量設定の不具合によってA2DPのリンクだけが切断されると、「相手の声は聞こえるし通話も発信できるのに、音楽だけが一向にスピーカーから流れない」という特殊な状況が発生するのです。
この場合、端末全体を初期化する必要はありません。スマートフォンのBluetooth設定から当該車載器のプロファイル個別設定を開き、メディアオーディオのトグルを一度オフにしてから再度オンにする、あるいは再生アプリ側の出力先デバイスを明示的に選択し直すだけで瞬時に解決します。