修理費用の見積額と、保険利用に伴う将来の保険料アップ額を天秤にかける基準線が「車両保険を使う使わない損益分岐点」です。2026年最新の自動車保険改定動向を踏まえ、等級や車両タイプに応じた具体的な金銭負担の違いを下表に整理しました。
損害保険料率算出機構の統計や大手損保の改定料率をもとにシミュレーションを行うと、明瞭な方程式が導き出されます。
例えば、年間保険料が約8万円(20等級・ゴールド免許)のドライバーが、免責5万円の条件で20万円のフロントガラス交換(エーミング込み)を行う場合を考えます。保険を使わなければ翌年も20等級を維持し、年間の支払いは約8万円です。一方、保険を利用して15万円の保険金を受け取った場合、翌年は19等級(事故あり係数1年適用)となり、年間保険料は約11万5,000円へと跳ね上がります。その後2年間で無事故20等級へ戻るまでの保険料差額累計は約6万5,000円に達します。ここに当初の自己負担免責金5万円を合算すると、ドライバーの実質負担総額は11万5,000円です。修理費用の実費が20万円ですから、この場合は「8万5,000円相当の得」となり、保険を使う合理性が証明されます。
しかし、もし免責金額が10万円で、社外ガラス等を使って修理総額が13万円で済む車両だった場合はどうでしょうか。受け取れる保険金はわずか3万円。それに対して3年間の保険料増加額が6万円を超えれば、差し引き3万円以上の赤字を垂れ流すことになります。これが「保険を使ったのに大損する」と言われるカラクリの正体です。