国土交通省が主導し、従来のA4サイズ紙面からICタグを内蔵したA6サイズのコンパクトなカードへと刷新された「電子車検証」。導入当初に設けられていた従来の紙面同等情報が記載された「自動車検査証記録事項」の暫定的な一斉交付措置は終了を迎え、2026年現在の公道上では電子車検証単体での運用が完全に定着しています。
ここで新たに多発しているのが、「電子車検証を巡るデジタル特有の勘違い」です。電子車検証の券面には、プライバシー保護と券面書き換えの省略を目的として、所有者の氏名や住所、車検の有効期間満了日などの詳細情報が印字されていません。これらの詳細データは、国土交通省が提供する「車検証閲覧アプリ」をインストールしたスマートフォンでICタグを読み取ることで確認する仕様となっています。
この仕組みを誤解し、「スマートフォンに車検証閲覧アプリを入れて車両データを同期してあるから、本体のプラスチックカードは自宅に置いておいて問題ない」と思い込むドライバーが急増しています。しかし、国土交通省の公式見解および道路運送車両法の規定において、携帯が義務付けられているのはあくまで「ICタグが組み込まれた電子車検証の原本カード」そのものです。アプリ画面を見せるだけでは備え付け義務を果たしたことにはならず、不携帯の取り締まり対象となるため細心の注意を払わなければなりません。