本作が今なお多くの人々の心を揺さぶり続けるのは、単なるトリックの妙ではなく、善悪の彼岸にある「親子の愛」を極限まで描ききっているからです。浅居忠雄が犯した罪は、決して許されるものではありません。罪のない人々を巻き込み、社会を欺き続けた代償はあまりにも大きすぎました。
それでもなお、娘の未来を照らすために自らを闇に葬り去った父親の「祈り」と、その祈りを背負って生きるしかなかった娘の慟哭に、私たちは激しい葛藤を覚えます。加賀恭一郎が最後に導き出した真実は、事件の解決であると同時に、一つの家族の壮絶な終幕を見届ける儀式でもあったのです。 (出典: 祈り の 幕 が 下りる 時 ネタバレ(Yahoo!ニュース))