ミームの伝播メカニズムは、地域の文化圏やプラットフォームの特性によって独自の進化を見せる。その典型例が、映画『バービー』と『オッペンハイマー』の公開時期が重なったことで海外のネットユーザーを中心に自然発生した巨大現象「バーベンハイマー」だ。対極的な世界観を持つ2作品をコラージュ画像やジョーク動画として組み合わせる動きは、映画会社のプロモーションの枠を完全に超え、世界的な文化現象へと拡大した。
一方、日本の独自のサブカルチャー文脈から生まれたミームの代表格がアニメ『ポプテピピック』だ。他作品の過激なパロディやネットスラングを意図的に詰め込み、「ユーザーが二次創作で遊ぶための余白」を最初から設計に組み込んだ構成は、SNS上での拡散を計算し尽くした構造と言える。さらに近年では、TikTokなどの短尺動画プラットフォームがこうしたコンテンツを数秒の音源と共に世界中へミリ秒単位で拡散し、国境を容易に飛び越えさせている。