興味深いことに、英語圏には「いきってる」に完全に合致する一言の単語が存在しない。強いて言えば「showing off(見せびらかす)」や「cocky(うぬぼれた)」だが、日本語の「いきってる」に含まれる独特の「イタさ」や「哀れみ」のニュアンスは抜け落ちてしまう。
ここには、日本の伝統的な「和をもって尊しとなす」文化や、「出る杭は打たれる」という集団主義が色濃く反映されている。個人のアピールを「調和を乱す行為」とみなす文化的土壌が、この言葉の切れ味を鋭くしているのだ。多様性が叫ばれる時代でありながら、言葉の呪縛はより強固になっているように見える。