平安時代末期、朝廷に突如として姿を現した一人の美女がいた。あらゆる学問に通じ、歌詠みの才にも長け、その美貌は内に光を秘めるかのようであったと伝えられる。彼女を見初めた鳥羽上皇は深く寵愛し、傍らに置くようになった。しかし、その出会いこそが朝廷を襲う恐ろしい怪異の序章だった。
間もなく上皇は原因不明の重病に伏し、いかなる名医の処方も効力をなさなくなった。衰弱していく帝を前に宮中は猜疑心と恐怖に包まれる。単なる病死ではなく、誰かの呪詛か、あるいは人知を超えたものの仕業ではないかという疑念が日増しに強まっていったのだ。平安末期という貴族社会の曲がり角において、権力の頂点に忍び寄る謎の美女の存在は、当時の社会不安そのものを象徴していた。