松尾太陽のボーカルを語る上で欠かせないのが、2018年春から2026年夏までの約4年半にわたる「単独バックボーカル時代」の経験です。結成当初からツインボーカルの片翼を担っていたコーイチの脱退に伴い、激しいダンスパフォーマンスが連続する超特急の全楽曲を、たった一人で歌い切る過酷なミッションに直面しました。
当時のドキュメンタリーやロングインタビューにおいて、本人は「歌うことをやめるという選択肢はなかった。8号車(ファンの呼称)とメンバーのために声を枯らしてでも歌い続けると誓った」と胸中を吐露しています。1公演あたり20曲以上を激しく動きながら歌い切る過酷な環境が、結果として彼の心肺機能とピッチコントロール、そして感情をダイレクトに伝える声の強度を飛躍的に鍛え上げました。
SNSや音楽専門コミュニティにおけるリアルな反応を見ても、「激しいフォーメーション移動の最中でもブレないロングトーン」「CD音源を超える生歌の迫力」といった技術面への称賛が多数を占めています。裏声と地声の滑らかな移行(ミックスボイス)の精度は、ボーカルトレーナーや専門家の間でもJ-POPシーン屈指の安定度と位置づけられています。