朝日新聞「折々のことば」なぜ刺さる?鷲田清一の名言と最新動向に関するポイントを詳しくまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。

本コラムの骨格を形作っているのが、選者である哲学者・鷲田清一氏の経歴と思想である。1949年京都生まれの鷲田氏は、身体論や現象学から出発し、ファッションの哲学から臨床哲学まで、幅広い領域で思索を深めてきた知の巨人だ。大阪大学総長や京都市立芸術大学理事長・学長、せんだいメディアテーク館長などを歴任した輝かしいキャリアを持ちながら、その視線は常に「制度の外側」や「声なき声」に向けられている。

特に阪神・淡路大震災や東日本大震災の現場での対話を通じて深められた「臨床哲学」のアプローチは、折々のことば 鷲田清一という連載の核をなす。専門用語を並び立てる学問の枠を飛び出し、苦悩する現場に寄り添い、耳を傾ける姿勢。だからこそ、鷲田氏が選ぶ言葉には、上から目線の教訓が一切ない。傷つき、迷う人間の生身の姿を受け止める「聴く力」こそが、言葉選びの最大の妙味となっている。