「お腹が出ているから腹筋を鍛えなければ」という直感的な思い込みこそが、腹直筋離開を深刻化させる最大の落とし穴です。メディアや一般的なフィットネス動画で紹介される標準的なトレーニングの多くは、離開を起こした腹部にとっては致命的な負荷となります。
とりわけ絶対に避けるべきなのが、床から上体を丸めて起こすクランチやシットアップ、両脚を同時に上下させるレッグレイズ、そして強い腹圧をかけ続けるバイシクル運動です。左右の筋肉が離れた状態で無理に腹直筋を収縮させると、引き伸ばされた白線にかかる横方向の張力がさらに増大します。
結果として、裂け目を自ら押し広げ、内臓が飛び出そうとする力(ヘルニア化)を助長させてしまうのです。さらに、日常生活における「ベッドから真正面に勢いよく起き上がる動作」や「重い荷物を息を止めて抱え上げる動作」も、同様に強い腹圧性負荷を与えるため厳禁です。起き上がる際は必ず横向きになり、腕の力を使って身体を起こす習慣を徹底しなければなりません。