検索窓に「柴田恭兵」と打ち込むと、サジェストに浮上する「激痩せ」「病気」という不穏なワード。その背景には、2006年に直面した深刻な健康危機が存在します。当時54歳だった柴田恭兵は、定期検診をきっかけに初期の肺がん(ステージ1A)が発見され、右肺の上葉を切除する手術を受けました。
ヘビースモーカーとして知られていた彼にとって、肺の一部を失うことは俳優生命、ひいてはアクションを身上とする表現者としての死活問題でした。しかし、摘出手術の成功直後から柴田の意識は前を向いていました。執刀医の指導のもと、術後わずか数日で病棟の廊下を歩く歩行訓練を開始。徹底的な禁煙を断行し、低下した肺活量を取り戻すために過酷な呼吸筋トレーニングを自らに課したのです。
術後約4ヶ月という驚異的なスピードでNHK土曜ドラマ『ハゲタカ』の現場に復帰した際、周囲のスタッフは柴田のプロフェッショナリズムに息を呑んだと伝えられています。当時のインタビューで本人は「病気をしたことで、呼吸ができるありがたさ、生きている実感というものを身体の底から知った」と吐露しています。現在のスリムな体型は、衰弱による激痩せではなく、余分な皮下脂肪を完全に削ぎ落としたアスリートのような節制状態がもたらした結果です。