二つの料理を明確に分ける境界線は、調理開始時点におけるお米の状態にあります。
ピラフは生米から炊く料理です。洗米(あるいは無洗米)した生の白米をバターやオリーブオイルで透き通るまで炒め、具材とともにコンソメやブイヨンなどの出汁を注ぎ、蓋をしてじっくりと炊き上げます。米粒が生の状態で油脂を吸い、さらに出汁を内側まで吸収しながら糊化(アルファ化)するため、米の芯までしっかりと旨味が浸透し、ふっくらとしつつも一粒一粒が独立した食感に仕上がります。
一方、チャーハンは炊いたご飯を炒める料理です。事前に炊飯を終えた温かいご飯を中華鍋に投入し、高温のラードや植物油、溶き卵、刻んだ具材とともに一気に炒め合わせます。目的は米粒の表面に卵と油の被膜を作り、余分な水分を飛ばして「パラパラ」の状態を作り出すことにあります。米の内部に出汁を吸わせるピラフとは対照的に、米の外側に香ばしさと調味料をまとわせるアプローチです。