神経科学の世界には「表情フィードバック仮説」という概念がある。感情が表情を作るだけでなく、表情が脳にシグナルを送り、感情を変化させるという説だ。
表情筋トレーナーの指導により口角が上がる習慣が身につくと、脳は「自分は今、満足で幸せな状態にある」と認識しやすくなる。セロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質の分泌が促され、ストレス耐性が高まるのだ。
たかが顔の筋肉、と片付けることはできない。表情筋を鍛える試みは、自分自身のメンタルヘルスをコントロールし、対人関係における第一印象を根本から変革する力を持っている。