世間が蒼井優さんに対して抱く「かわいい」という感情は、単に目鼻立ちの美しさを愛でるものとは一線を画しています。最大の原動力は、デビュー初期から一貫して損なわれていない圧倒的な透明感と、喜怒哀楽がそのまま伝わる無邪気な表情筋の躍動にあります。
2004年に公開された岩井俊二監督の映画代表作『花とアリス』で、紙コップをトウシューズ代わりにして披露した伝説的なバレエシーンを覚えている方も多いはずです。思春期の脆さと奔放な煌めきを同時に放ったあの姿は、日本映画史における「美少女の原風景」として今なお語り継がれています。当時から彼女は、作り込まれたアイドル的なかわいさではなく、風や光に反応して揺らめく野花のような美しさを宿していました。
年齢を重ねてなお、その瑞々しさが損なわれないのは、彼女の表現の原点が「どう見られるか」ではなく「どう生きているか」に置かれているからです。笑うときに一切の計算がなく、顔全体をくしゃくしゃにして笑うその仕草は、見る人に安心感と無防備な親しみを与えます。蒼井優の若い頃のかわいい記憶を更新し続けながら、大人の気品としなやかさを違和感なく同居させている点こそ、絶賛が途絶えない最大の秘密です。