日本特撮映画の歴史に燦然と輝く金字塔『大魔神』。重厚で静謐な神の怒りを体現したあの巨大な土偶の内部にいた人物こそ、彼に他ならない。
数十キロにも及ぶ重厚な着ぐるみを身にまとい、視界もままならない過酷な環境のなかで、彼は一切のまばたきを封印してカメラを睨み続けた。そのギョロリと見開かれた眼球の迫力こそが、CG存在しなかった時代に観客を底知れぬ恐怖と感動へと叩き落としたのだ。『大魔神』が半世紀以上の時を超えて愛され続ける最大の理由は、スーツの中に注ぎ込まれた彼の魂と肉体美にあったと言っても過言ではない。