大切な映像コレクションを長期にわたって維持する上で、避けて通れないテーマが寿命と耐久性の決定的な差です。一般に「光ディスクは半永久的」と喧伝された時代もありましたが、実態は素材と構造に依存します。
物理的な表面硬度の観点では、後発のブルーレイが明確な優位性を持ちます。前述の通り、ブルーレイは記録層がディスク表面からわずか0.1mmという極めて浅い位置に存在するため、微小な擦り傷でも致命的な読み取りエラーを起こすリスクがありました。この課題をクリアするため、ブルーレイの規格化に際しては高硬度ハードコーティング処理(TDKが開発したDurabis技術などに代表される保護被膜)の塗布が必須化されました。これにより、擦り傷や指紋汚れに対する耐久性は、無垢のポリカーボネートが露出している従来のDVDよりも格段に強化されています。
一方で、経年劣化と長期保存の真相を化学的側面から見ると、ディスクの種別(市販ソフトか自作ダビングメディアか)によって挙動が分かれます。
プレス加工で物理的な凹凸ピットを形成している市販のセルソフト(BD-ROM/DVD-ROM)であれば、高温多湿を避けた適切な暗所保管を前提とすれば30年から50年以上の耐用年数を期待できます。しかし、テレビ録画などに用いられる追記型メディア(Rメディア)では事情が異なります。DVD-Rの多くが紫外線の影響を受けやすい有機色素材料を記録膜に採用しているのに対し、BD-Rは物理的変化を利用する無機材料(Si/Cu合金など)を記録膜に採用しています。結果として、太陽光や環境変化に対する耐性においては、BD-Rの方が科学的に高い保存安定性を発揮することが実証されています。