起死回生のシンボルとして白羽の矢が立ったのは、ハリウッドのアクションスター、チャールズ・ブロンソンだった。『荒野の七人』や『大脱走』で見せた、泥臭くも圧倒的な男のフェロモン。甘美な美青年が主流だった当時の日本の広告界において、髭をたくわえた無骨な男の起用は異例中の異例だった。
まだ海外の大物俳優が日本のテレビCMに出演することなど極めて稀だった時代だ。交渉は難航を極め、提示された契約金は当時の同社の規模からすれば天文学的な数字。社内からは「会社を潰す気か」と猛烈な反対が巻き起こった。それでも経営陣は信念を曲げなかった。「本物の男の魅力を届けるには、ブロンソンしかいない」。
アメリカ・ユタ州の大自然やハリウッドのスタジオを舞台にした過酷なロケーション。ブロンソンは持ち前のストイックさで現場を牽引し、カメラの前で凄まじい存在感を放ち始めた。