1988年のデビュー当時、彼女たちの象徴となった「笑わない」スタイルは、実は緻密に計算された戦略の産物ではない。過密スケジュールによる極度の緊張と振付の難しさから、本番中に思わず顔が強張ってしまったことが直接のきっかけだった。しかし、その偶然が生んだ無表情こそが、どこか哀愁を帯びたメロディと完璧に合致したのだ。
当時、世界的なメインストリームになりつつあったユーロビートのサウンドを大胆に取り入れたトラックメイクは、日本のポップスに革新をもたらす。煌びやかな衣装を身に纏いながら無心にステップを刻む2人の佇まいは、まさに80年代アイドル史における異端にして完成されたアートだった。