地域密着の取材現場やSNS・ネット掲示板の相談事例を検証すると、最も頻繁にトラブルとなっているのが「沿道住民の無許可進入」です。知恵袋などでは定期的に「自宅のガレージ前がスクールゾーンで歩行者専用道路になっている。朝出勤するために車を出したら、待ち構えていたパトカーに切符を切られた。住人なのに納得がいかない」という悲痛な叫びが投稿されています。
報道各社の取材や警察庁の公式見解に照らし合わせても、道路交通法の条文上「その地域に居住しているからといって自動的に特権が与えられる」という規定はどこにも存在しません。いかに自宅の目の前であろうと、指定時間帯に許可なくタイヤを転がした時点で、法的には完全な通行禁止違反です。現場の警察官も「事情は理解できるが、法律上は住民であっても通行許可証をフロントガラスに掲げていなければ摘発せざるを得ない」と一貫した姿勢を崩しません。
もうひとつのグレーゾーンとして現場で物議を醸すのが「二輪車・バイクの押し歩き」です。道路交通法第2条第3項第2号の規定により、排気量の大小にかかわらず、二輪車は「エンジンを停止させて押して歩いている者」であれば歩行者として扱われます。したがって、大型バイクであっても歩行者専用道路をエンジンを切って押して通過すること自体は合法です。
しかし現場では、重いバイクに耐えかねて「エンジンをかけたまま跨がって足で漕ぎ進める」あるいは「クラッチを切って惰性で進む」といった行為に及ぶライダーが散見されます。この瞬間、法解釈は「歩行者」から「車両の運転」へと切り替わり、警察官から厳しく制止されることになります。ほんの数メートルのショートカットを試みた結果、現場での口論や検挙に発展するケースが日常的に報告されています。