Q1:簿価と時価が大きく乖離してしまう主な原因は何ですか?
A1:最大の要因は、日本の企業会計が採用している「取得原価主義」にあります。資産を取得した当時の価格で帳簿に記録し続けるため、その後の不動産相場の高騰・下落や、事業環境の悪化による設備の収益性低下がリアルタイムに帳簿へ反映されません。また、有形固定資産の減価償却が税法基準の定額法や定率法に基づき機械的に進む一方、実際の市場における中古再販価格は需給関係によって全く異なるペースで変動することも乖離の原因となります。
Q2:株式投資で特定口座を使っている場合、取得簿価はどう計算されますか?
A2:証券会社の特定口座(源泉徴収あり/なし問わず)では、「総平均法に準ずる移動平均法」によって自動的に取得簿価が計算されます。同じ銘柄を複数回に分けて購入した場合、購入代金と買付手数料の合計額を保有株数で割った加重平均値が1株当たりの取得簿価となります。売却した際は、その売却価格と取得簿価との差額が譲渡損益として計算され、税金が源泉徴収(または確定申告用に集計)されます。
Q3:簿価1円の固定資産を廃棄・売却する際、どのような経理処理が必要ですか?
A3:簿価1円の資産を廃棄した場合は、その1円を「固定資産除却損」として費用処理し、固定資産台帳からデータを抹消します。この際、廃棄業者から発行されるマニフェスト等の処分証明書を必ず保管してください。また、中古買取業者などに1万円で売却できた場合は、売却額から簿価1円および売却費用を差し引いた差額を「固定資産売却益」(特別利益)として計上します。