鬼殺隊員が鬼に対抗する絶対条件とされてきたのが「全集中の呼吸」です。しかし玄弥にはその適性が一切ありませんでした。身体能力を爆発的に引き上げる肺の構造や才能を持たない彼が、いかにして上弦の鬼と対峙し得たのか。その答えが、劇中でも極めて希少とされる「特異体質(鬼喰い)」と、銃器を取り入れたハイブリッドな武装スタイルでした。
玄弥は並外れた咬合力と異常に強靭な消化器官を持ち合わせており、鬼の肉を喰らうことで一時的にその鬼の力を我が物とする擬似的な鬼化が可能でした。鬼を喰った玄弥は驚異的な筋力、スピード、そして致命傷すら瞬時に塞ぐ治癒再生能力を獲得します。さらに喰らう鬼の格が高ければ高いほど、得られる力は跳ね上がりました。
武装面でも、玄弥は刀匠・鉄穴森鋼蔵らが打った通常の刀だけでなく、二連式の散弾銃を愛用していました。この銃弾には刀と同じ日輪刀の素材(猩々緋砂鉄・猩々緋鉱石)が用いられており、鬼に対して決定的な牽制効果を持ちました。遠・中距離は銃撃で攪乱し、接近された際には鬼喰いによる怪力と日輪刀の乱舞で首を狩る——まさに正統派の剣理から外れた「泥臭い実戦派」として自らの道を切り拓いたのです。