日常会話で使われる「浮気」や「不倫」という単語は、実は日本の法律(民法)の条文には一切登場しません。裁判所や弁護士が扱う法律上の正式名称は「不貞行為」(民法第770条1項1号)と呼ばれます。この三者の違いを正確に把握することが、法的な対抗手段を取るための第一歩となります。
弁護士による法律相談の実務データによると、相談者の多くが「相手が嘘をついて異性と食事に行った」「LINEで甘い言葉を交わしていた」ことを理由に慰謝料を請求したいと希望します。しかし、民法上の不貞行為とは、原則として「自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性交渉(肉体関係)を持つこと」を指します。どれほど心が離れていようと、あるいは親密なメッセージを交わしていようと、肉体関係の立証が困難な場合、法律上の不貞行為とは認められにくいのが裁判実務の現実です。
要約すると、「既婚者・独身の違い」が社会通念上の不倫と浮気を分け、さらに「肉体関係の有無」が裁判所を通じた法的責任の有無を分ける決定打となります。