下処理と聞くと面倒な職人技に思えるかもしれませんが、使う道具は「骨抜き(または先の細いピンセット)」ひとつだけです。慣れてしまえば1パック(約20〜30杯)を処理するのに2分もかかりません。指先でも代用可能なその手順を具体的に解説します。
1. ホタルイカ目玉取り方(難易度:極小)
頭部と足の間にある左右2つの黒い目玉を処理します。表面に見えている黒い粒をつまむのではなく、骨抜きの先端を目の根元に少し差し込み、奥にある硬い球体(水晶体)ごと外側へ押し出すように引き抜きます。指先で行う場合は、親指と人差し指の爪で挟んで手前に軽くひねると、つるりと綺麗に外れます。
2. ホタルイカくちばし軟骨処理(難易度:小)
続いて、足の輪の中心部にある「くちばし(からすび)」を取り除きます。足を優しくかき分けると中央に黒褐色の硬い粒が見えます。ここをピンセットで挟み、手前にスッと引き抜くだけです。このくちばしを取り忘れると、噛んだ瞬間にジャリッとした砂のような食感の原因になります。
3. 胴体の軟骨引き抜き(難易度:中)
最後に、胴体(ツボ)の背側に入っている透明なプラスチック状の「軟骨」を抜きます。胴体のフチ(足との境目あたり)からピンセットを薄く差し込み、背中の中央を縦に走る透明なスジをつまんで上部(エンペラ側)へ向かって引き抜きます。指で行う場合は、胴体の先端を軽く押しながら引っ張ると途中で折れずに抜けます。
下処理を終えたホタルイカは、薄い塩水(水500mlに対して塩小さじ1程度)で優しく洗い、ザルにあげたあとキッチンペーパーで余分な水分を完璧に吸い取ることが重要です。パック内に溜まっていたドリップ(旨味と臭みの混ざった液体)を洗い流すことで、生臭さが完全に消失し、洗練された甘みだけが際立ちます。