首に違和感や音を感じた際、多くの人が無意識にとってしまう行動がある。それが「首を勢いよく回して意図的に音を鳴らす」「手で顎を押して首をボキッとひねる」という行為だ。大手Q&AサイトやSNS上でも、「首を鳴らすと一瞬スッキリする気がして癖になっていたが、次第に痛みが強くなり腕にしびれが出た」という悲痛な相談が後を絶たない。
整形外科の臨床現場において、脊椎専門医はこうした自己流の矯正動作に対して一様に強い警告を発している。首を無理にひねって音を鳴らす行為は、緩んでいる関節にさらに過度な回旋ストレスを加え、関節を支える靭帯を伸びきらせてしまうからだ。
靭帯が緩むと首の骨はさらに不安定になり、身体はそのぐらつきを抑えようとして周囲の筋肉をより一層硬直させる。結果として、首のシャリシャリ音を放置したり故意に鳴らし続けたりすることで、一時的な爽快感とは裏腹に、関節軟骨の破壊と筋肉のこりを加速度的に悪化させる悪循環に陥る。